「予防矯正3日間コース」で講師を担当しました
2025年12月7日の日曜日、「pd普及の会」主催のセミナーで講師を務めてきました。
セミナー名は「予防矯正3日間コース」。そのうち、最終日(三日目)の一部を担当させていただきました。
この日は朝から夕方まで、合計7時間の長丁場。そのうち2時間をいただき、
1)pd診療と予防矯正について
2)予防矯正のマネジメント
という2つのパートでお話ししました。
私自身、これまでさまざまな勉強会で学びながら、自院の診療にpd診療の考え方を取り入れてきました。
今回はその実践例として、愛歯科医院での取り組みを、歯科医師の先生方に共有する機会となりました。

pd診療とは?
pd診療とは、「正確・精密・安全な診療」をめざす診療システムです。
・人間中心にデザインされた診療機器や診療環境
・暗く狭い口の中でも正確に処置を行うための技術
・治療ゼロを目指した診療方針と診療哲学
といった要素を大切にしながら、治療結果の質を高めていくことを目指します。
愛歯科医院でも、このpd診療のコンセプトを基本方針として採用しています。
日々のむし歯治療や歯周病治療はもちろん、予防矯正やインプラント治療など、
さまざまな場面で「正確・精密・安全」をキーワードに診療を組み立てています。
セミナーの前半では、こうしたpd診療の考え方と、
「予防矯正をどう位置づけるか」という話を、マクロな社会状況も踏まえながらお伝えしました。
当院で行っている予防矯正の具体的な診療内容については、こちらのページもご覧ください。
→ 成長期の予防矯正について
予防矯正のマネジメント
後半のパートでは、より具体的に「予防矯正のマネジメント」をテーマにお話ししました。
とくに、愛歯科医院で実際に行っている
・リングファイル
・カレンダー
・スタンプ
を組み合わせた仕組みを、実物の写真とともに紹介しました。

予防矯正は、装置を入れれば終わりというものではありません。
・毎日のトレーニング(MFT)
・装置の使用時間の確保
・定期的なチェックと調整
など、患者さん(お子さん)とご家族の協力があってはじめて、良い結果につながる治療です。
そこで愛歯科医院では、
・色違いのリングファイルを5色用意して、お子さん自身に選んでもらう
・そのファイルの中に、月ごとのカレンダーを綴じる
・MFTや装置をがんばった日には、好きなスタンプを押してもらう
という仕組みを取り入れています。
これは、治療を「やらされること」ではなく、「自分で参加するプロジェクト」として感じてもらうための工夫です。
今回のセミナーでは、実際に使っているリングファイルやカレンダー、スタンプの写真をお見せしながら、
・なぜこの仕組みにしたのか
・どのように説明しているのか
・通院中の子どもたちや保護者の反応はどうか
といった点も、具体的なエピソードを交えてお話ししました。
受講された歯科医師の先生方からは、
「すぐに真似してみたい」
「とても参考になった」
といったご感想をいただき、リングファイルとカレンダー、スタンプのシステムには、とても強い関心を持っていただけたようです。
患者さんにとって「続けやすい予防矯正」をめざして

予防矯正は、スタートしてから数年単位のお付き合いになることが多い治療です。
その間、お子さんの生活や気持ちの変化、ご家族の事情など、さまざまな要素がからんできます。
だからこそ、
・「がんばり」が目に見える形で残ること
・家族みんなで成長を共有できること
・ちょっとした工夫で、楽しみながら続けられること
が大切だと考えています。
今回のセミナーでお話しした内容は、愛歯科医院で実際に行っている取り組みそのものです。
これからも、患者さんやご家族にとって「続けやすい予防矯正」をめざして、診療と工夫を続けていきたいと思います。
当院の予防矯正について、詳しい診療内容はこちらにまとめています。
→ 成長期の予防矯正について
セミナーでご一緒した先生方、主催のpd普及の会のみなさま、貴重な機会をいただきありがとうございました。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 院長 金明善

