「歯ぐきにできものが…」 根管治療で歯を残す選択
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After

歯ぐきにできものができた… その原因は?
患者さんから「歯ぐきにできものができている」とのご相談を受けました。診察の結果、右上第2小臼歯の歯根に炎症があり、それが膿となって歯ぐきに排出されていることがわかりました。
X線写真を確認すると、歯の根が短く、すでにヒビや破折の可能性もある状態でした。本来であれば、抜歯を検討するケースもありますが、患者さんの「できるだけ歯を残したい」というご希望をふまえ、根管治療を開始することにしました。
治療の流れ
– 初診・診断:歯根の炎症を確認し、治療計画を相談
– 1回目~4回目:
– ラバーダム防湿を設置し、唾液の侵入を防ぐ
– マイクロスコープを使用しながら、精密な根管治療を実施
– 根の感染部分を除去し、根管内を清掃・消毒
– 炎症が落ち着くのを確認しながら段階的に治療を進める
– 5回目(最終回):根管充填を行い、根管治療を完了する
治療後の経過
結果的に、炎症はおさまり、「歯ぐきのできもの」も完全に消失しました。
さらに、治療から4年後のX線写真では、歯根の先にあった骨の空洞(骨欠損)が回復し、顎の骨が歯の根にしっかりと寄り添っている状態が確認できました。
現在も良好な状態を維持しており、引き続き定期メンテナンスを通じて注意深く経過を観察しています。
京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善
Case1 抜くしかないと言われたけど・・・
Before

After

治療の詳細
奥歯のお痛みでお困りだった方ですが、以前に「治療ができないから抜くしかない」と聞いていたそうです。
通常の診察では歯の状態がはっきりと診断できなかったので、CT(コンピュータ断層撮影)を行いました。
Before
すると歯の根っこが膿んでいることが確認できました。上顎洞にも炎症が広がっています。
この歯の根管(神経の管)の形はY字型といえばいいでしょうか、治療には難しさが伴います。
「治療ができない」という診断が下されても不思議ではありません。
その難しさを克服するために、CTとマイクロスコープを活用することで治療を完了させることができました。
After
一年後、根の情況を確認するためにあらためてCTの撮影を行いました。
上顎洞の炎症も消え、(まだ完全ではありませんが)骨が再生し、治癒傾向にあると判断できます。
定期メインテナンスに継続してご来院して頂いています。
今後とも引き続き慎重に経過をみてまいります。