抜歯即時埋入・即時修復による前歯の再建(60代女性)
Before

After

年齢・性別 | 60代・女性 |
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症状 | 前歯に違和感がある |
治療方法 | 抜歯即時埋入・即時修復インプラント治療 |
治療回数 | 8回・6ヶ月 |
リスク・副作用 |
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費用 | 約55万円(消費税別、当時) |
前歯の違和感から始まったインプラント治療(60代女性)
以前から当院に通院されていた60代女性の患者さん。ある日、「前歯に違和感がある」とのことでご相談を受けました。
診察してみると、左上の前歯(#22番)の根が割れていることが判明。この歯は残すことができない状態でした。
しかし、前歯はお顔の印象に大きく関わる部分です。抜歯後に歯がない状態が続くことは、患者さんにとって大きな負担になります。
抜いたその日にインプラントと仮歯を装着
周囲の歯はすでにセラミックの被せ物(クラウン)で治療済みでした。ブリッジ治療を選ぶと、周囲の健康なクラウンを壊して作り直す必要がありました。
そこで今回は、抜歯と同時にインプラントを埋める「抜歯即時埋入」と、その場で仮歯まで装着する「即時修復」を組み合わせた治療をご提案。患者さんにもご納得いただき、治療をスタートしました。
治療のステップ
ステップ1:精密検査と治療計画
CTスキャンと光学印象(口腔内スキャン)を行い、デジタル上で三次元のモデルを作成。インプラントをどこに、どの角度で埋め込むかをシミュレーションしたうえで、サージカルガイド(正確に埋入するためのガイド)を作製しました。
ステップ2:インプラント手術と仮歯の装着
局所麻酔を行い、割れていた歯を抜歯。サージカルガイドを使用して、計画通りの位置にインプラントを埋め込みました。
術後すぐに仮歯を装着。この仮歯は通常、隣の歯に接着する形式ですが、今回は両隣がセラミッククラウンのため接着できず、インプラント本体に直接接続するタイプの仮歯を採用しました。
ステップ3:経過観察と調整
術後1週間の経過観察では、痛みや腫れもなく、仮歯も安定していました。
その後、インプラントが骨としっかり結合するまでの期間(2ヶ月以上)を確保しながら、仮歯の形を微調整していきました。
ステップ4:最終のセラミック装着
インプラントと骨の結合が安定した後、再度口腔内スキャンを行い、最終的なセラミックの被せ物を製作・装着しました。
治療のまとめ
今回の治療では、
- 抜歯からインプラント手術までの待機期間
- 手術後から仮歯装着までの空白期間
この2つの「歯がない時間」をゼロにすることができました。
患者さんは、見た目を気にすることなく、日常生活に戻ることができ、大変満足されたご様子でした。
その後の経過
治療から約1年が経過しましたが、現在もX線写真に異常はなく、症状もありません。患者さんは快適に生活されており、今後も定期的にチェックを続けていく予定です。