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2025.02.13

歯科治療と医療費控除について

みなさんは、医療費控除という制度をご存じでしょうか。医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定の金額を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が軽減される制度のことです。歯科治療費も医療費の一部として控除の対象になる場合があります。今回は、歯科治療と医療費控除について解説していきます。

医療費控除の概要

1. 医療費控除の対象となる金額
一年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費が10万円(または所得金額が200万円未満の場合は、所得金額の5%)を超えると、超えた分に対して一定の所得税控除が受けられます。
医療費控除の計算式は、ざっくり言うと次のようになります(限度額200万円):

医療費控除額 = (一年間に支払った医療費 ー 保険金などで補填された金額 ) ー 10万円
※上記は概要です。ご自身の所得や保険金等の状況によって変動する場合があるため、正確には税務署または専門家にご相談ください。

2. 対象となる家族の範囲
医療費控除を申請できる対象は、「本人」だけでなく、生計を一にする家族(配偶者や子ども、その他親族)も含まれます。つまり、ご家族の歯科治療費も合算することが可能です。

歯科治療で医療費控除の対象になるケース

1. むし歯や歯周病の治療
むし歯を削って詰め物をしたり、クラウン(かぶせ物)を装着したり、歯周病の治療をしたりといった「病気やケガを治療する目的」の歯科治療は医療費控除の対象になります。

2. 親知らずの抜歯や外科的処置
親知らずの抜歯や、歯を支える歯ぐき・あごの骨を治療するような外科的処置も控除対象となります。痛みや炎症を改善するための治療費は、医療目的であるため控除の範囲内です。

3. 矯正治療
矯正治療の場合、大人の矯正は「美容・審美目的」とみなされるケースもありますが、かみ合わせや発音障害などの改善が目的の場合は医療費控除の対象となります。一方、小児の矯正は、成長発育やかみ合わせの改善を目的とするため、多くの場合で医療費控除の対象となる場合があります。

4. インプラント治療
インプラント治療は、失った歯の機能回復を目的とした医療行為であるため、医療費控除の対象です。ただし、骨造成など追加の外科処置にともなう費用も含めてしっかり領収書を保存しておきましょう。

医療費控除の対象外となるケース

1. 美容目的のホワイトニングや審美治療
歯を白くするホワイトニングや、見た目を良くするためのセラミック治療など、純粋に美容目的と判断される治療は医療費控除の対象外となります。ただし、むし歯などの修復を目的とした治療の結果として選択した素材(セラミックなど)であれば対象となるケースもあるため、気になる場合は歯科医師に相談してください。

2. 歯科医院への交通費以外の費用
診療のための交通費や、付き添いのための交通費は対象となりますが、駐車場代や宿泊費などは医療費控除の対象外となることがほとんどです。また、差額ベッド代も原則として対象外となります。

医療費控除を受けるためのポイント

領収書・明細書の保管
2017年分の確定申告から「医療費控除の明細書」の添付が必要になりました。歯科医院や薬局でもらった領収書をしっかり保管し、医療費を正確に集計できるようにしておきましょう。なお、領収書の提出は原則不要になりましたが、5年間保管しておく必要があります。

医療費通知(健康保険組合等が発行するもの)の活用
健康保険組合等から年に一度送付される「医療費のお知らせ(医療費通知)」も、医療費控除の明細書を作成するときに活用できます。内容をしっかりチェックして、不足や間違いがないか確認するようにしましょう。

確定申告をお忘れなく
医療費控除を受けるには、確定申告(原則として翌年の2月16日~3月15日)を行う必要があります。会社員などの給与所得者の方でも、医療費控除を受けたい場合は自分で確定申告をすることが大切です。

控除証明書などの確認
健康保険から高額療養費や出産育児一時金などで補填される場合、その金額は医療費控除の対象となる医療費から差し引く必要があります。どの範囲が補填されるのかよく確認しておきましょう。

まとめ

歯科治療で支払った費用は、その大半が医療費控除の対象となります。しかし、美容目的か機能回復目的か、治療内容はどうかといった点で判断が分かれることがあるため、事前に歯科医師や税務署へ相談しておくと安心です。また、医療費をまとめて支払う年に調整する、領収書をこまめに整理しておくなど、日頃から準備しておくことでスムーズに確定申告が進みます。

歯の治療は健康管理においても重要な要素です。医療費控除を上手に活用することで、適切なタイミングで必要な治療を受けやすくなります。疑問があれば、遠慮なくご相談いただき、安心して歯科治療を受けていただければ幸いです。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 金明善

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