「歯ぐきにできものが…」 根管治療で歯を残す選択

【治療例紹介】歯ぐきのできものと根管治療

50代・男性/治療部位:#15(右上第2小臼歯)

歯ぐきにできものができた… その原因は?

患者さんから「歯ぐきにできものができている」とのご相談を受けました。診察の結果、右上第2小臼歯の歯根に炎症があり、それが膿となって歯ぐきに排出されていることがわかりました。

X線写真を確認すると、歯の根が短く、すでにヒビや破折の可能性もある状態でした。本来であれば、抜歯を検討するケースもありますが、患者さんの「できるだけ歯を残したい」というご希望をふまえ、根管治療を開始することにしました。


治療の流れ

初診・診断: 歯根の炎症を確認し、治療計画を相談

1回目~4回目:

 ラバーダム防湿を設置し、唾液の侵入を防ぐ

 マイクロスコープを使用しながら、精密な根管治療を実施

 根の感染部分を除去し、根管内を清掃・消毒

 炎症が落ち着くのを確認しながら段階的に治療を進める

5回目(最終回): 根管治療の完了後、土台を作製し、セラミッククラウンを装着


治療後の経過

結果的に、炎症はおさまり、「歯ぐきのできもの」も完全に消失しました。
さらに、治療から4年後のX線写真では、歯根の先にあった骨の空洞(骨欠損)が回復し、顎の骨が歯の根にしっかりと寄り添っている状態が確認できました。

現在も良好な状態を維持しており、引き続き定期メンテナンスを通じて注意深く経過を観察しています。


治療費・期間・リスクについて

  • 治療費:7万円(根管治療のみ・消費税別・当時)
  • 治療期間:5回(約1.5ヶ月)
  • リスク・副作用:
  • 治療を進める中で、歯の根にヒビや破折が発見される可能性があります。その場合、抜歯をご相談することになります。
  • 良好な治療結果となりましたが、将来的に歯根破折のリスクはゼロではありません。定期的なメンテナンスを続け、慎重に経過を追っていくことが大切です。

まとめ

「歯ぐきにできものができた」という症状は、歯の根の感染が原因であることが多く、早期の診断と適切な治療が必要です。
今回のケースでは、マイクロスコープを活用した精密な根管治療によって、抜歯を回避し、長期間にわたって歯を維持することができました。

「歯をできるだけ残したい」「抜歯は避けたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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