ソウルのSIDEXへ ― 会場の「もてなし」に思うこと

先月末、ソウルで開かれたSIDEX(Seoul International Dental Exhibition)に足を運んでまいりました。最新の機材や材料に触れるのが目的でしたが、会場で何より印象に残ったのは、その雰囲気でした。

ポップコーンにアイスクリーム、夕方になるとビールまで振る舞われ、ミニゲームのコーナーがあったり、飲み物を手渡してくれるブースも少なくありません。なかでも面白かったのがラーメンで、それも紙のどんぶりに入れたインスタント麺をその場でお湯で仕上げる、あのスタイル。韓国ドラマや旅行がお好きな方なら「そうそう、これこれ」と頷いてくださるのではないでしょうか。学術と展示の真剣な場でありながら、どこかお祭りのような賑やかさと温かさがあって、これもお国柄なのだろうかと、感じ入った次第です。

足を止めやすい空気があると、自然と一つひとつのブースをのぞいてみたくなります。人をもてなす空気そのものが、学びへの入り口になっているようでした。

そしてもう一つ、毎年この場を楽しみにしている理由があります。SIDEXでは、大阪や神戸など各地から集まる日本の先生方と現地で合流するのが恒例になっています。ともに食卓を囲みながら、日々の診療のことや新しい知見について語り合う――この情報交換のひとときが、私にとっては会場をめぐるのと同じくらい、楽しく実りある時間になっています。学びは展示ブースの中だけにあるのではないのだなと、毎年あらためて感じます。

機材や材料はもちろんのこと、こうした「場のつくり方」、そして人とのつながりもまた、持ち帰った収穫の一つだったように思います。

京都市中京区 四条烏丸 愛歯科医院 院長 金明善