治療例12:歯を磨くと血が出る

患者さん情報

性別女性
年代50代

治療情報

症状歯を磨くと血が出る、かたいものを噛むと痛むということでした
治療方法歯周病治療の国際標準(グローバルスタンダード)に基づいた内容を計画しました
費用保険診療
治療期間約一年(継続中)

治療の詳細

治療前

治療開始時の状態です。

歯ぐきが腫れていて、明らかに歯周病が進行している状態です。

抜歯が必要な歯もあり、「重度の歯周病」といえます。

治療後

治療方針は歯周病治療の国際標準に従い、着実に進めました。

保存不可能な歯の抜歯とともに、原因除去療法(ブラッシングの強化と歯石除去)を行いました。

治療後は腫れていた歯ぐきが引き締まり、良好な状態になっています。

治療開始前の段階では残せるかどうか未定だった歯も状態が落ち着いてきて、できるだけ残していこうとしています。

現在(記事執筆時点の2022年7月)はサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を継続中です。

所感

ブラッシング(歯磨き)は毎日の生活の中で行われます。歯周病治療でもっとも重要なポイントはこのブラッシングです。

ブラッシングの状態が改善されなければ、どんなに高価な薬剤や特殊な手術法を用いたとしても、歯周病治療は成功しません。

この患者さんの場合、担当歯科衛生士との二人三脚で、ブラッシングを非常によく頑張ってくれたため、治療が成功に至ったと考えています。

ブラッシングと歯石除去をあわせて「歯周基本治療」と呼びます。これがもっとも大事な治療の段階となります。

ここができていないと治療は成功しません。大事な治療ステップですが、地味な治療です。派手さはありません。

たとえ地味ではあっても、大切な基本をおろそかにせず、粘り強く取り組むことが、結局のところ歯周病治療を成功に導いてくれます。

私がいつも患者さんにお話しすることは、「歯の治療に逆転満塁ホームランはない」です。

今後とも引き続き注意深く、経過を観察していきたいと思います。

京都市中京区 烏丸蛸薬師 愛歯科医院 院長 金明善